マンガ関係書籍ガイド、(不完全)参考文献リスト
 (2000.10)
■マンガ関係書籍ガイド、(不完全)参考文献リスト?■
(2000/10版)
・注
 2000年8月のコミケ58で出したvol.1に載っけたものの改訂版です。
 タイトルに不完全とあるとおり、あくまでこのリストは、メンバーが所有しているものを中心としています。97年以前の主要な文献については、このリストにも含まれていますが『コミック学のみかた。』(朝日新聞社 AERA Mook24 1997)の「コミック学をきわめるための50冊」がおすすめです。そちらを参照してください。そちらに載っていないものや97年以降のものをこのリストでは扱っています。

・コミック学のみかた。(AERA Mook24 朝日新聞社 1997)
 「〜学のみかた」シリーズの一冊。マンガを扱っている学者、評論家の紹介、作家作品論、コミック誌やマンガ史などの状況論、夏目氏による「マンガの文法」、用語解説、文献リストなど幅広い分野にわたる。特に文献リストの「コミック学をきわめるための50冊」は幅広い分野、新旧取り混ぜて扱っており、おすすめ。これを読んでいるような人は、上の注にも書きましたが、参照してください

・マンガの読み方(別冊宝島EX 宝島社 1995)
 「マンガの文法」という形で、マンガの読み方を分析。とくに、「コマ」に焦点を当てた分析は独特のもの。この分野の教科書的な本。主要執筆者は、竹熊健太郎、夏目房之介。

・マンガ学(スコット・マクラウド著 岡田斗司夫監訳 美術出版社 1998)
 マンガの自体の構造、文法についての分析。分析自体は、美術的だか、珍しいところは、この本自体がマンガであるということ。

・ニッポンマンガ論(フレデリック・ショット著 樋口あやこ訳 マール社 1998)
 外国人によるマンガ論。個々の作家、作品だけでなく、マンガ文化全体についての社会的な考察まで含まれる。雑誌にまで目を向けるなど、かなり詳しく、他分野にわたる。

・東大オタク学講座(岡田斗司夫著 講談社 1997)
 マンガが取り上げられるのは、第四講。マンガの構造分析や、翻訳の状況についてまでマンガ論のひととおりのことについて30ページあまりで概説。コンパクトなのでひとまずマンガ論について知りたい人におすすめ。

・NHK人間大学 まんがはなぜ面白いのか その表現と文法(夏目房之介 日本放送出版協会 1996)
タイトルのとおりNHK教育で96年に放送された夏目房之介による人間大学のテキスト。マンガの文法をわかりやすく解説。夏目氏の「マンガの文法」についてまとまっている数少ない文献のひとつ。ただし、雑誌扱いなので現在、書店では入手不可能。図書館で探してください。

・戦後まんがの表現空間(大塚英志著 法蔵館 1994)
 個々の作品論から有害コミック論争やコミックのビニールパックといったマンガの状況論まで扱っている。ただし、本書の後半は書評が大部分をしめている。評論家による本としては、(対象がマンガであると言うだけで)オーソドックスな感じ。

・木野批評 臨時増刊 文学はなぜマンガに負けたか!?(青幻舎 1998)
 発行は、現在、マンガ学科のある京都精華大学。評論家、学者から漫画家まで幅広い執筆者がマンガについて考察。大学関係だけあって、アカデミックな感じ。全体を通して、ふつうの批評書してます。しかし、このタイトルはなかなか刺激的。

・マンガロン(鶴岡法斎著 イーストプレス 2000)
 個々の作品、作家を通してマンガを語る。基本的には著者の個人的な経験を元にして語られている。語り口は軽いし、笑いながら読める本。ただし、非常に私的な評論ではある。

・私の居場所はどこにあるの?(藤本由香里著 学陽書房 1998)
 作品論系。少女マンガを取り上げ、そこに表現された女性心理や少女マンガ受容の仕方、また、ジェンダーイメージについても考察。

・マンガ夜話シリーズ(キネマ旬報社)
 NHKBS2の番組「BSマンガ夜話」の書籍版。基本的には、番組の内容を活字化したもの。体系的に語られるわけではないが、出演者のメンツがメンツなのでマンガ論、漫画史として重要なことが結構語られる。注も結構詳しく、つかえる。

・鉄腕マンガ論(奥田鉄人著 マガジンハウス 1995)
 作家論中心。取り上げられている作家は、手塚、石ノ森、永井、大友など、有名どころばかり。大御所の作家について知りたいならおすすめ。

・このマンガがすごい!(別冊宝島257 宝島社 1996)
 ガイドブック系。いろいろなテーマによって作品を紹介。各作品には、単行本のカバー写真と簡単なコメントが付く。別冊宝島には、他にも何冊もマンガブックガイドがあります。

・たとえば恋愛コミックはこう読む(井の頭作文室著 同文書院 2000)
 ブックガイド系。タイトルからだと、恋愛コミックの読み方を分析しているようにも思えるが、女性による女性のための恋愛マンガガイドブック。だか、女性向けマンガに興味のある人(特に男性)にはいいかも?

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