ライトノベル批評 　キノの旅　　 タマガワヒロ (2001.11)
			スペースオペラと言ったって、なにも国と国、地球人とその他でドンパチやったり、宇宙中を探検して回ってみたりする必要はないのだ。ある程度制度にのっかり、その中で自由にやっていく、そういう姿勢のスペースオペラがこの作品であり、まぁ、そう言った意味では青春しているともいえるし、ライトノベルとしてはまっとうな作りともいえる。でも、よく考えたらヤンだって、年金もらうために軍人やっていたぐらいだからこの姿勢には共感できるのかもしれないが・・・、ここでのいちばんの違いは、自分の意志とは別のところでそうなってしまったという歴史的な視点で描写するかどうかということかもしれない。ローエングラムは、どんなに壮大な夢をもっていても大人だし、メタルバードのレイは、やはり若々しくて、青春している。もしかしたら、ほんとに小さい頃のローエングラムはレイみたいだったのかもしれないが・・・ 　これまでコバルト等でヤングアダルト系を書き続けてきた若木未生だけあって、キャラの立ち具合は最高だし、展開もおもしろい。なにより、先へ先へと読み進ませる力は絶大だ。ライトノベルとしてのツボは十分に押さえたなかで、銀英伝とはひと味違うテイストで今後、彼ら二人がどこへ飛んでいくであろうか?二巻に期待したい。			『メタルバード』 若木未生著 イラスト 　菅原健 徳間デュアル文庫 (2001.8)
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